今回は「朝鮮の伝統社会はどんな社会か?:時代劇を手掛かりに」、というテーマでお話を伺いました。
朝鮮の伝統社会を語る上で外せないのが、儒教文化です。儒教は孔子から始まる思想体系で、漢の時代に国家の公認思想となりました。
それ依頼、2000年に渡って中国だけでなく、東アジアの社会や文化に大きな影響を与えました。
朝鮮半島では、朝鮮王朝が成立する頃に上は王から下は庶民まで、社会の隅々に浸透しただけでなく、今日でも韓国人の生活習慣やマナー、価値観・宗教観に影響を及ぼしています。
儒教の特徴の一つとして、家族関係から政治体制までを貫く人間関係が挙げられます。
特に大変厳しいのが、年下の者は年上の者に従う「長幼の序」というものです。
人間関係で対等なのは友人関係のみで、基本的には序列と階層を強調したそうです。
初対面の韓国人が、年齢や干支を聞いてくるのはこの「長幼の序」を大変意識しているせいだそうです。
儒教が国家公認されたことにより、儒学者が中央の官僚になれるよう動きがありました。
朝鮮半島は李朝の時代に科挙試験が導入されたようです。科挙試験とは、個人の学力(儒教の知識)によって任官資格を得ることができる人事制度の一つです。
儒教的な知識のある者が国を治めるという考え方で、田舎の貧しい書生や農夫でも試験に合格すれば、中央の官僚になれる制度でした。
しかしこの試験が大変難しいもので、500年の中で合格者数がたったの500人というものです。
田舎の農夫に勉強する時間がとれるわけもなく、官僚の実態は賄賂で官職を買うことができた、
良家の息子が大勢を占めていたそうです。
このような過程を経て、頭のいい奴がカッコイイとされる韓国の風潮になっているわけです。
現在でも儒学者の家系だと自称する韓国人は多く、韓国一とは何かというとすごく勉強ができる頭の良い人になるそうです。
ちなみに日本だと、日本一は色々あってみんな良い・・・そんなところでしょうか。
次回は10月26日(水)、テーマは「韓国ドラマの世界:ドラマから韓国社会を探る」。
お楽しみに。