成人大学講座『日本の歌』 第五回

5月12日より始まりました成人大学講座、本日5回目が最終回です。雨が降る中たくさんの方がご参加してくださいました。

本日も帝塚山学院大学 名誉教授 鶴崎裕雄先生をお迎えして講座を開催致しました。

5回目のテーマは『現代短歌・俳句』です。

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まずは、先週の連歌の続きです。先週は一の折の表8句を詠み、本日はその裏面になる一の折の裏14句を紹介して頂きました。裏面になっても当然前の句から想像して句を繋げます。

 

途中「荻」の文字が。「荻」の字にはよく似た「萩」という漢字がありますね。実際筆で書かれている「荻」と「萩」の字は区別しにくいとか・・・。どうやって2つの漢字を区別するのでしょうか?

やはり歌の流れから想像して区別するそうです。「荻」の場合、「風」、「萩」の時は「露」の文字があるとどちらであるか判断できるとの事。今回の句では、「上風」があったので「荻」だと詠んだそうですよ。

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連歌にはルールがあるそうです。春と秋の季語がついた場合3句~5句までその季語(季節)を続けないといけないとの事。春がでてきたら最低その次の句とまたその次の句は春で歌を詠む。それは日本人にとって春の歌と秋の歌が特に大切にされてきたからだとか。

 

後半は現代短歌や俳句を紹介して頂きました。現代という区切りは、明治で分別していて、明治以前の和歌は古典とされ、明治以降の短歌は現代とされるそうです。中でも、戦後生まれの歌人は表現の新しさ、感覚の新しさがバラエティーにとんでいて今までない作品がたくさんありました。

 

5回の講座で日本の歌にはどんな歴史や背景があり、どんなものがあるのか、何よりも実際筆で書かれた文字に少しでも馴染んで頂けたら嬉しいです。筆で書かれた文字は今使っている仮名文字の原点だったりと新たな発見があったと思います。どの文字が今の仮名文字に変化したかなど考えながら、美術館・博物館で筆で書かれた文字を見かけた時は、思い出しながら詠んでみてはいかがでしょうか。

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